20年近く使っていた羽毛の掛け布団が、さすがにもう限界を感じ、リフォームすることにしました。
今回は買い替えるかリフォームするかで迷っていたときに調べたことをまとめます。
最小限の知識かもしれませんが、買い替えるにしてもリフォームするにしても必要になる知識だと思うので、よろしければ参考になさってください。
Contents
羽毛布団の材料で選ぶ
羽毛布団の材料としては大別すると、ダウン(羽毛)とフェザー(羽根)があります。
ダウン(羽毛)は水鳥の胸の辺りから採れる、タンポポの綿毛のような形状をした、産毛状の保温性に富んだ素材です。
フェザー(羽根)は、ダウン以外の真ん中に硬い軸がある、普通に見かける羽根です。
と言っても、羽毛掛け布団に入っているのは「スモールフェザー」という、小さく軸もやわらかい羽根になります。
ダウンの比率が50%以上のものを『羽毛(うもう)布団』、フェザーが50%以上のものを『羽根(はね)布団』と言います。
水鳥の種類と特徴で選ぶ
ダック(あひる)
- 比較的安価
- 羽毛特有の「におい」が強め
(ただし、きちんと管理/処理されているものはそうでもない) - ダウンボールが小さ目(保温性もグースに比べると低い)
マザーダック
ダックのダウンの中でも高級なもの。
生後6ヶ月以上飼育されていて、羽毛が充分に成熟してるため、ダウンボールが大きくコシがあり長持ちする。
グース(ガチョウ)
- 羽毛特有の「におい」が少ない
- ダウンボールがダックよりも大きい
マザーグース
グースのダウンの中でも高級なもの。
生後6ヶ月以上飼育されていて、羽毛が充分に成熟してるため、ダウンボールが大きくコシがあり保温性・耐久性の面で優れている。
アイダーダックダウン
- 最高級羽毛布団の材料
- アイスランドなど、極寒の地で卵を産むアイダーダックという鳥の羽毛。
保護鳥に認定されているので、捕えて羽毛を採取することができない。
採取は年一度、親鳥が卵の保温のために巣に植え付けた羽毛を、雛が巣立った後に手作業で採取するため、極めて希少。 - 究めて軽く、暖かい究極の羽毛。
羽毛の等級で選ぶ
品質としては、一般的にダックよりはグースの方が上で、最高級なのはアイダーダックダウンとなりますが、一般庶民の私が選ぶならダックかグースです。
何を見て品質を判断するかは、一つの基準として、日本羽毛製品協同組合が規定する「dp/ダウンパワー」という数値があります。
日本羽毛製品協同組合では、羽毛の品質については4つのグレードに分けてゴールドラベルを発行しています。
● プレミアムゴールドラベル:440dp以上
● ロイヤルゴールドラベル:400dp以上
● エクセルゴールドラベル:350dp以上
● ニューゴールドラベル:300dp以上
参考 ラベルのデザインは日本羽毛製品協同組合のサイトでご確認ください。
dp(ダウンパワー)が大きいほど空気を良く含み、より暖かいと言えますので、このラベルは判断の基準になりますが、ラベルがなくてもdp(ダウンパワー)の値が書いてあれば判断材料にはなると思います。
しかし、大手メーカーの西川グループのように、グループ独自の厳しい基準を設けている会社では、ゴールドラベルは使用していないようなので、「ゴールドラベルがないから粗悪品」、というわけでもなさそうです。
ちなみに
440dp以上:最高クラスのレベル
350dp以上:十分な品質のレベル
と考えられます。
羽毛の重さで選ぶ
商品の説明に羽毛の重さで説明されているのをよく見かけますが、実は判断材料としては混乱を招くものでもあります。
ダウンボールが大きい高級な羽毛(dp(ダウンパワー)が高い羽毛)は、たくさん入れなくても充分に布団の中の温度と湿度を適切に保ちます。
結果として重量がなくても「軽くて暖かい掛け布団」となりますね。
しかし、ダウンボールが標準的な羽毛(dp(ダウンパワー)が標準的な羽毛)ならば、ダウンボール大きい羽毛よりもたくさん入れないと適切な温度と湿度を実現しにくくなりますので、充分な量が入っていてほしくなり、重量も判断材料となります。
参考としましては京都の布団専門店「眠むの木」様のサイトによりますと
- グース・ダウン90%の場合
- ダウンボールの大きい(最高級の品質)羽毛:1.0~1.2㎏
- ダウンボールが標準的な羽毛:1.2~1.3㎏
- ダウンの混合率が少なくフェザーが多い場合
- 1.5~1.8㎏
ただし、暖かさを充分に実現するため量が増やして重くなるケースもあるので、シングルサイズ:150×210cmで1.5kg以上は要注意!
だそうです。
羽毛布団の側生地で選ぶ
せっかく羽毛で納得のいく商品を見つけても、使われている側生地によっては、羽毛の良さを台無しにしてしまう場合もあるので、側生地もしっかりチェックしたいですね。
羽毛布団の側生地としては、一般的には「綿・超長綿」「合成繊維(ポリエステルなど)」「シルク」があります。
しかし、新たな繊維の開発により他にも表れるかもしれないので、見慣れない繊維だからと言って無視するのではなく、一度調べてみると良いかもしれません。
綿/超長綿
綿は天然繊維ですので吸湿/吸水性が高く、羽毛布団の側生地には適しています。
綿の中でも「超長綿」と呼ばれる綿は、繊維の長さが平均35mm以上の綿で、綿の中でも高級素材となり、価格も高くなります。
超長綿の特徴としては、さわり心地はソフトでしなやかな感触、見た目は光沢があり艶やか、そのうえ通常の綿よりも吸湿性・通気性が良いので、値段が折り合うならこの繊維がお勧めです。
また、生地の良し悪しには「糸の太さ(番手)」や「打ち込み本数」も関係してきます。
「糸の太さ(番手)」とは糸の太さの単位のことで、数字が大きいほど細い糸になり、細い糸ほどやわらかな肌ざわりのいい生地になります。
一般的な羽毛布団では60番手、80番手が使われていますが、高級品になるとそれ以上の番手を使用し、よりしなやかな生地を採用しています。
「打ち込み本数」とは生地1インチ(約2.5cm)四方の中に織り込まれているタテ糸とヨコ糸の合計本数のことです。
打ち込み本数が多い=生地の密度が高くなり、柔らかく、肌触りのよい、しなやかな生地になります。
合成繊維/合繊(ポリエステル)
ポリエステルを使用すると綿に比べて安価にできるので、羽毛が350dpなのに側生地は85%がポリエステルという商品も見かけます。
しかし、ポリエステルは吸湿性が劣るので蒸れを感じやすく、帯電性があるのでホコリが付きやすい面もありますので、羽毛の350dpの性能を充分に発揮できないと考えられます。
値段との兼ね合いもありますが、できるだけポリエステルの割合の少ないものを、可能なら綿100%の側生地を選ぶようにしたいですね。
シルク
羽毛の側生地素材としては、最高級側生地素材となります。
綿と同様に天然素材ですが、綿よりも吸湿発散性に優れていて、柔らかで肌触りが良く、見た目も光沢があり、美しい素材です。
ただ、シルクの衣類でも同様ですが、耐久性の点で他の素材よりは劣りますので、普段の手入れ等でも、より注意が必要になります。
一般の家庭で扱いやすいのは、他の素材と言えるでしょう。
まとめ
参考になりましたでしょうか?
我が家では結局リフォームを選択しましたが、リフォームする場合でも知識がないと、無駄に高いリフォームになったり、粗悪なリフォームになったりしかねません。
やはり最低限の知識は持って、選択したいですね。
なお、リフォームについては『羽毛掛け布団の宅配リフォームで『使い古し』が『新品同様』に!』にまとめましたので、ご興味があればご覧ください。